わたしでありますように

今晩わたしが目を閉じて 眠り

 

そして目覚める 明日の朝

 

このわたしとして目覚める保証は

 

実はどこにも ない

 


昨日も今日も明日も

 

わたしは毎日死ぬまでわたしだと

 

これまでそう信じて疑うことは なかった

 


けれども もしかしたら 明日の朝には

 

このわたしとは 全くの別人として

 

目覚めるのかもしれない

 

その人の記憶のセットを携えて

 

昨日も今日も明日も

 

その人なのだと信じて疑うことなく

 

一日をはじめるのかも知れない

 

 

だとしたら だとしたら

 

わたしがこのわたしでいられるのは

 

この今日 たった一日だけなのだとしたら

 

それがどんなによかろうが悪かろうが

 

とにかく生き切っただろうか はたして

 

今日一日を わたしとして めいっぱい

 

生きることができただろうか

 

 

眠りに就く時に

 

大きく一つ息を吐き

 

そう 問いかける

 

 

願わくば明日もまた

 

わたしでありますように

 

そう願える わたしでありたい